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売掛債権流動化

売掛債権流動化とは、流動性が乏しい売掛債権という資産(決済期日が到来するまで
待ち続けなければならない)を第三者に譲渡したり、譲渡担保として活用することに
より現金化させ、早期の資金調達を行うことです。
売掛債権流動化に関する主要な3つのソリューションが売掛債権証券化ファクタリング
売掛債権担保融資です。
売掛債権流動化のメリットとして、資金繰りの余裕が出来、資産の圧縮が図れます。

売掛債権流動化

経済産業省HPより抜粋


(1)売掛債権証券化
売掛債権証券化は、企業が保有している売掛債権を
SPVと呼ばれる
特定目的法人
に譲渡し、その対価として資金を受け取ります。
SPVとは資産(売掛債権)を買い取り、売掛債権が生み出すキャッシュフロー
(決 済期日に入金される代金)を裏付けとして、証券を投資家に発行する事業体です。
SPVは、売掛債権の信用力をもとに証券を発行し、投資家に販売します。
企業は、保有売掛債権のリスクを移転することが出来ます。
また投資家は、リスクを細分化することにより、投資リスクのコントロールをすることが
出来ます。


(2)売掛債権担保融資
売掛債権担保融資は、企業が保有する売掛債権の信用力を担保することにより、
金融機関等から融資を受ける資金調達方法です。
この方法は、融資ですので返済が必要ですが、債務不履行時の弁済手段として、
売掛 債権が譲渡担保されます。
代表者保証や不動産担保がなくても、安定的で信用力のある売掛債権があれば
比較的融資の可能性が高くなります。
また、将来発生するであろう将来債権を譲渡担保として融資を受けることも可能です。


(3)ファクタリング
  ※別途下記記載
売掛債権流動化にかかわるソリューション一覧

経済産業省HPより抜粋

右図のように、中小企業の流動資産の33%も占める、
売掛債権を流動化させ、保有する売掛債権のリスクの
切り離しを行う一つの手段として、現在経済産業省
中小企業庁が推し進めるのがファクタリングです。

中小企業の流動資産の内訳

円グラフ

ファクタリングとは

ファクタリングとは、自社が保有している売掛債権(売掛金等)をファクタリング会社に買い取ってもらうことで、本来の回収サイトよりも早く資金化する金融サービスです。

取引先が法人ですと、商品やサービスを提供し売掛金が発生しても、取引条件が例えば月末締めの翌々月の末日に支払う等の条件によって、すぐに入金されないことはよくあることです。しかし、仕入や外注費の支払い、自社の給料等経費の支払が、入金よりも先行することがよくあり、資金繰りに頭を悩ます中小企業は本当に多いものです。

ファクタリングとは

そこで通常は銀行に融資を申し込むでしょうが、業績の悪化や税金の未納等を理由に、必ず資金調達できるとは限りません。また、審査結果が出るのに時間がかかることもあります。

ファクタリングの場合、買い取りを依頼した企業よりも売掛先の信用力を重視します。よって、(ファクタリング会社により多少異なりますが、)債務超過、赤字、税金の未納があるからと門前払いされることは基本的にはありません。さらに、申込みから実行までが短期間で済むため、すぐに資金調達をしたいときにも対応できます。

ファクタリングの仕組み

3社間のファクタリング

3社間のファクタリング

  • 1. 商品やサービスを提供して売掛金が発生する。
  • 2.売掛先よりファクタリング契約の承諾が必要。
  • 3.売掛先より ファクタリング会社に売掛金を入金。
2社間のファクタリング

2社間のファクタリング

  • 1. 商品やサービスを提供して売掛金が発生する。
  • 2.売掛先に通知がされない。
  • 3.売掛金の入金予定日にお客様が売掛先より回収
  • 4.売掛金の入金後、すぐに売掛金をファクタリング会社に支払う。

手形割引とファクタリングの違い

手形割引と売掛債権売買(ファクタリング)の比較

手形割引と売掛債権売買取引ファクタリング)の大きな違いは
手形割引の場合は、割り引いた手形が不渡りになったときです。
手形割引人は金融機関から代わりに支払うように請求を受ける
ことになります。(償還請求権)

これに対して、売掛債権売買取引(ファクタリング)の場合では、
売掛先が倒産しても、元来の債権者である ファクタリング
依頼した企業には、支払義務はありません。

ファクタリングと融資の違い

銀行融資などの民間金融機関や公的金融機関による融資の場合は
お客様の会社の業績や財務内容、信用性などをもとに融資を実行しますが、
ファクタリング取引は売掛金という債権の売買 による取引の為、お客様の
会社というよりも、売掛先の業績、近況などをもとに信用調査を行います。
また、銀行融資のように担保、保証人などは必要ありません。

売掛債権売買取引(ファクタリング)においては、売掛先の会社が
倒産して支払い不能になった場合でもお客様に返済義務はございません。

ファクタリングの歴史

西欧諸国においてファクタリングの歴史は古く、イギリスでは既に15世紀には
売掛債権の保証サービスをするファクタリング業者が存在しました。
アメリカでも、20世紀初頭には、金融サービスの1つとしてファクタリング
徐々に認知され、現在では、中小企業などによる資金調達の手段として
不動産担保融資などよりも一般的なものとなっています。
日本では昭和40年代後半に導入されたファクタリングですが、

当時は手形取引が主流となっており、また、債権回収に伴う中小企業の信用調査を
行う機関や環境が未発達だったこともあり、なかなかファクタリングが根付くことは
ありませんでした。

しかし、バブル崩壊や、インターネットの普及などにより、手形取引の形態が変化・縮少し、
中小企業の資金調達手段も幅が狭まりました。
そこで、売掛債権を活用した資金調達方法が再び注目を浴び始めました。
また、債権譲渡特例法による債権譲渡登記制度などの法整備により、銀行などの金融機関
ファクタリングなどの売掛債権を活用したサービスに積極的に参入、ファクタリング専門の
ファクター会社も徐々に増えつつあります。
昨今では、経済産業省におきましても、中小企業における資金流動促進の一環として
売掛金を活用したファクタリングの利用を促進するため、契約書に債権譲渡禁止条項を
盛り込まないように勧めています。

ファクタリングのメリット

ファクタリング は売掛債権の早期資金化によるキャッシュフローの改善が図れます。
ファクタリング は、償還請求権がない形(ノンリコース)で債権譲渡を行うため、
貸借対照表上、負債にはならず、売掛債権のオフバランス化、バランスシートの
スリム化が図れます。銀行やノンバンクだとリスケ中、債務超過、赤字決算の会社は
借り入れをしづらいですが、ファクタリングは、売掛先の与信力を重要視するため、
リスケ中などで銀行融資がおりない会社でも担保、保証人なしで資金調達が可能です。

ファクタリングのデメリット

デメリットとしましては、ファクタリング取引は ファクタリング会社が売掛先企業の倒産リスクや
回収リスクを背負うことになるため、買取手数料がやや高く設定される傾向にあります。
また、三社間ファクタリング会社と二社間ファクタリング会社で手数料は異なり、三社間だと1%~5%、
二社間だと10%~25%がおおよその相場となっています。
なお、ファクタリングの手数料はファクタリング利用企業の経営状況、債権譲渡登記の有無、売掛先企業の信用度などによって設定されます。

ファクタリングの手数料内訳

債権譲渡登記・抹消登記費用、印紙代、書類作成費用、割引料、事務手続き費用、人件費など、手数料は、売掛債権ごとに、売掛先の規模・業績状況、債権額、入金サイト、お客様の会社の与信状況、
ファクタリング会社との取引履歴などを総合的に審査して決定されます。
債権譲渡登記を留保することもできますが、その場合は手数料が高くなる傾向になります。

ファクタリングの禁止事項

1.譲渡した売掛金を自社の資金繰りまたは、私的に流用する

ファクタリングを行った時点で債権は、ファクタリング会社の権利となります。
譲渡した売掛金の私的流用、使い込みは、違法行為です。
ファクタリング会社から横領罪として刑事告訴される可能性もあります。
売掛先から回収した売掛金は、速やかにファクタリング会社にお支払い下さい。

2.売掛債権の二重譲渡

譲渡した売掛金を無断で他の第三者に譲渡するのは、重大な契約違反です。
二重譲渡をした場合は、より確実に回収をする為に、売掛先に債権譲渡通知を
送らなければならなくなります。登記または債権譲渡通知が遅れたファクタリング会社は
損害を被ることとなり、損害賠償請求を受けるばかりか、法的処置を取られ、会社の信用
を失い、倒産という事態に発展しかねません。

3.売掛金の架空申告、書類の偽造

ここまでやると完全に犯罪です。
請求書を作りこんだり、通帳を偽造したりすると、
有印私文書偽造罪、架空の売掛金を売却したとして、詐欺罪になります。
ファクタリング会社から刑事告訴され、会社は倒産となるばかりか、代表者は
逮捕され、長い拘禁生活を送ることとなります。
絶対に御止め下さい。

ファクタリングの仕訳と勘定科目

ファクタリングを行った時の会計処理について説明します。
売掛金発生時には、通常は売掛金として処理します。
借方 貸方
売掛金(資産の増加) 100 売上(収益)100

売掛債権譲渡時には、まだファクタリング会社からの入金がない場合、
借方に未収金、貸方に売掛金として仕訳します。
譲渡時、ファクタリング会社に支払う手数料は
売掛債権譲渡損や売掛債権売却損、もしくは雑支出として借方に計上します。

借方 貸方
未収金(資産の増加)
売掛債権売却額 80
売掛債権売却損(費用) 手数料 20
売掛金(資産の減少)売掛債権額 100

ファクタリング契約を締結するとファクタリング会社へファクタリング代金の入金を請求します。
ファクタリング会社から代金が振り込まれると、資産の増加として借方には現金の勘定科目として処理します。
貸方には、未収金として仕分けします。

借方 貸方
現金(資産の増加)80万円 未収金(資産の減少)80万円

上記は、一般的な ファクタリングの仕訳になりますが、売掛債権売却損や売掛債権譲渡損ではなく、
「支払割引料」で処理する税理士や会計士もいます。
ファクタリングの契約スタイルによっては上記以外の仕訳を行う場合もあります。
分からない場合は税理士やファクタリング会社に相談されることをおススメします。

診療報酬債権ファクタリング

診療報酬債権ファクタリングとは、医療機関や調剤薬局が社会保険診療報酬支払基金(社保)や国民健康保険団体連合会(国保連)から受け取る診療報酬を銀行、ノンバンクやファクタリング会社が買い取ることで、約60日程かかる診療報酬の入金日を早期化する資金調達方法です。

診療報酬債権ファクタリングは、銀行での融資と比較すると、審査が簡単で提出書類も少なく、手続きに手間がかかりません。また、取引先が民間企業ではなく、国や官庁である事から回収が確実なため、お客様が赤字や債務超過でも、審査が通りやすくなっております。

掛け目に関してですが、社保や国保への請求後、請求額の減額をされるケースがあるため、一般的には80%~90%の掛け目となっております。掛け目を引いた分の金額が買い取り対象額となり、国保や社保からファクタリング会社に入金後、非買い取り対象額をお客様に支払う形になります。

手数料は、診療報酬ファクタリングの場合は、請求先が社保や国保であり、債権譲渡の通知をして三社間ファクタリングとなることから未回収リスクが低いため低く設定されます。

介護報酬債権ファクタリング

介護保険事業者が国保連へ介護報酬の請求後、通常は入金まで45日ほどかかります。
介護報酬ファクタリングは、介護報酬債権買取会社(ファクタリング会社)が介護報酬債権を買い取ることにより、通常45日かかる入金サイトを早め、早期化する資金調達方法です。

掛け目は、一般的に80%ほどとなり、非買い取り対象分となった残額は国保からファクタリング会社への入金後、お客様に支払われます。

手数料は、診療報酬ファクタリングと同じように、国が請求先となるため低く設定されます 。

ファクタリング事例

福岡県 土建業  A社長
年商 1億2千万円

福岡県の建設業を営むA社長は、土木を中心に事業を営んでいます。

道路建設の公共工事に、下請けとして受注が入りました。公共工事は、利益率が良いのですが、
支払サイトが遅く、外注費や給与などの支払いを考えると、資金繰りがショートしそうなので
銀行融資を申し込みました。

銀行融資申し込み後、追加の提出書類などが多く、支払日までに銀行からの融資が間に合うか、
微妙になってきました。ノンバンクやビジネスローンでつなぎ融資を検討し、キャッシュの
確保を考えていたところ、知人よりファクタリングという資金調達方法を教えてもらいました。

「返済不要」の「借り入れにならない」資金調達ということで、負債として計上する
必要がなく、今後の融資の為にも、これ以上負債を増やしたくなかったこともあり、
ファクタリングを利用しました。

公共工事の工事請負代金債権ということもあり、審査は1日で完了し、翌日には、入金が
ありました。1200万円の売掛金の内、500万円の売掛金を買い取って頂き当面の給料や
外注費などの支払いを工面できました。

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